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皆さんは日本では2003年末に公開された
ディズニー・ピクサーのアニメーション映画、
「ファインディング・ニモ」をご存知でしょうか。

アニメ映画そのものだけでなく、この映画の公開をきっかけとして、
沖縄などの海でクマノミやイソギンチャクの乱獲が起きた事を
ご存知の方も多いことと思います。
http://www.ryukyushimpo.co.jp/news01/2004/2004_01/040107a.html

今、公式な発表は何もありませんが、
その「ファインディング・ニモ」の続編映画が制作・公開されるのでは?
という“噂”があります。

“噂”どおり、
「ファインディング・ニモ 2」が制作・公開されれば、
前作の公開後と同様に、再び、
クマノミをはじめとする貴重な海洋生物が乱獲され、
その乱獲のための毒物散布などによって大規模な自然破壊が行われる事は確実ですから、
弊サイト「放蕩息子の半可通信」では、
プアっすプアっすWeblog」のプアマリナさん作製の下記のバナーを掲出し、
早手回しに(^_^;;
「ファインディング・ニモ 2」の制作・公開に反対します。



ここをご覧になった方の中には

“「ファインディング・ニモ」の映画の中で乱獲を推奨していたわけではないし、
ディズニーやピクサーには、クマノミの乱獲や自然破壊の責任は、ないのではないか?
それなのに、映画の続編の製作や公開に反対するのは、お門違いなのじゃないか?”

とお考えになる方がいらっしゃるかもしれません。
しかしそれは間違いです。

私も確かに、
あの映画の内容が乱獲や自然破壊を推奨するものではないことは知っています。
しかしあのような映画が公開されればその内容の如何に関わらず、
結果としてモデルとされた海洋生物の飼育ブームが起こり、
そのために多くの海洋生物が乱獲され、自然が破壊されるだろうことは、
十分に予想されたことです。

しかもあの映画が日本で公開される半年も前、2003年の初夏に米国で公開された直後から、
米国においては一足早くクマノミ飼育のブームが起き、
その結果として南太平洋のクマノミが乱獲されて、
一部の地域では絶滅に近い状態にまでなっていたという事は、
日本で映画公開される前に、既に我が国でも報道されていたことでした。
http://www.tv-asahi.co.jp/ss/98/news/top.html

※注) 同じ内容の報道は、2003.11.20付けのCNNのサイト等にも掲載されていましたが、
(当初のアドレスは→ http://www.cnn.co.jp/world/CNN200311200015.html )
「ファインディング・ニモ」の日本公開と相前後して、
な・ぜ・か
WEB上から全て削除されています。

米国におけるこれらの状況を知っていた人間の中には、
日本での公開に先立っては、映画が乱獲や乱売などに繋がらないよう、
何らかの注意がなされるのではないかと期待していた方もいたようです。
http://asobi.info/pshige/mt/archives/000209.html

しかし、日本での映画公開と同時に行われたのは、
事前の期待とは180度異なる、
観賞魚用品メーカーとのタイアップキャンペーンでした。(↓)
http://www.tetra-jp.com/topics/top_topics0310.html

このタイアップキャンペーンのポスターは、
海水魚飼育のノウハウを持った専門店ばかりでなく、
それまで一度も海水魚など取り扱った事がなかったホームセンターや
ショッピングモールの雑貨店までにも貼り出され、
南太平洋や沖縄などの海で乱獲されたクマノミが、
とても長期飼育など不可能なチャチな水槽セットと共に販売されるのに、
大いに役立ちました。
クマノミやイソギンチャクを(結果として)大虐殺するのに、
これ以上はない大活躍を見せたのです。

米国での状況を真剣に捉えてさえいれば、
「ファインディング・ニモ」という映画の公開後に日本でもクマノミ飼育のブームが起こり、
自然破壊が加速されるだろうという事は、誰にでも予想できた事であり、
映画の関係者も、
例えば映画の上映の前後に何らかの注意を促すなど、
その影響を最小限にとどめるための努力が出来たはずです。

にも関わらず、ディズニー社も、ピクサー社も、日本の配給元であるブエナビスタ・ジャパン社も、
映画の公開に際して、海洋生物の乱獲の抑制に繋がるような努力を怠りました。
それどころか、観賞魚飼育用品メーカーとのタイアップによって、
自然破壊と乱獲によって不当な利益を上げようとする者達の活動を
(たとえ「結果的に」であったにせよ)助けたのです。

これらのことから私は、
それが意図的なものであるか否かに関わらず、
ディズニー社、ピクサー社、ブエナビスタ・ジャパン社それぞれは、
「ファインディング・ニモ」の公開を契機とした海洋生物の乱獲と自然破壊に関して、
結果としての責任を負うべきだと考えます。

日本の配給元であるブエナ・ビスタ・ジャパン社は、新聞の取材に対して、
「本当に乱獲が行われているのならとても残念なことだ。」などと言う、
木で鼻をくくったようなコメントを出しいますが
http://www.nishinippon.co.jp/news/wordbox/2004/report/0220_5.html
これは乱獲および自然破壊に対する責任を認めないばかりか、
乱獲そのものをも、事実としては確認したくないという立場の表明でしょう。
人間たちの金儲けのためだけに殺されたクマノミやイソギンチャクの命や、
破壊された自然環境の大切さを考えれば、
そのような無責任な言い逃れは許されないのではないでしょうか。

※注) ちなみに、同じ内容のコメントが、2004.03.09付けの朝日新聞朝刊の第一面に、
カラー写真つきで紹介されているのですが、「ニモ」の影響でクマノミが乱獲
されている事実が報道されてから、すでに何ヶ月も経っているのに、わざわざ
朝日新聞が一面で、このような記事を掲載したのは、
なぜでしょうか?
わざわざそんな古い話題を新聞の一面に載せるのは、
どんな理由が(あるいは必要が)あったのでしょうか?
(※ちなみに、その記事も、現在ではWEB上では確認できません。)

その理由は、私には、はっきりとは分かりません。
が、事実としては、この記事の掲載の1週間ほど前に、「ニモ」とタイアップした
観賞魚用品メーカーのキャンペーンが終了しています。
そして、この記事が朝日新聞に掲載された時点ではすでに、「ニモ」の公開は
ほとんど終了しており、長野と大分でわずか数館が上映を継続しているのみ、
という状況になっていました。
つまり、この記事が掲載される事によって、ディズニー、ピクサー、ブエナ・
ビスタ・ジャバン、およびタイアップメーカーのいずれにも、
ほとんど何の
悪影響も及ぼさないタイミングになってから、記事は掲載された

という事は言えます。

ディズニー・ピクサーのような、大きな力を持つ企業は、
自らの企業活動が社会に対してどのような影響を持つのか、
慎重に検討して活動するべきでしょう。
その影響が意図していたものとは異なるからといって、
自らの企業活動が原因となった事象に対する責任を逃れようとするのは、
道義的に許されないと思います。

この環境で再び、「ファインディング・ニモ 2」が製作・公開されたならば、
再び、
クマノミを初めとする海洋生物の乱獲、および、
その乱獲のための自然環境破壊が起きることは
避けられないのですから、
ディズニー社も再び、「ファインディング・ニモ」の続編を製作すべきでない。
(※ちなみに、ピクサー社は続編を製作する権利を持ちません。)
と、
弊サイトは主張します。

改めて、

弊サイト「放蕩息子の半可通信」は、
「ファインディング・ニモ 2」の制作・公開に反対します。
そしてその映画に便乗した乱獲や乱売には、
さらに徹底的に大反対します。

(ただしもちろん、正式な製作決定の発表は、まだどこにもないんですけどね(^_^;;)

2004.11.21

「放蕩息子の半可通信」
管理者:放蕩息子




こうしたアクアリウム/ペット業界の自然環境破壊に関連して、弊サイト内に「『国際サンゴ礁年2008』に向けての提言」を掲載しました。併せてご覧下さい。(2007.06.19追記)



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