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カクレクマノミ繁殖ノウハウ集 [1]

ペアの作り方

 

これからクマノミを飼って、繁殖させてみたいという方のために、
クマノミのペアの作り方から説明します。

 

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私の方法
 

私はクマノミのペアを作るのには、全く苦労しませんでした。
我が家のクマノミは海水魚ショップで販売されていたものではなく、体長1〜2cmくらいの小型の未成魚を自家採集したものでしたので、2匹を同じ水槽で飼うだけで、2匹の成長と共に、自然にペアが成立しました。
(同様にして、複数のペアを作ることが出来ています。)

ただし、クマノミがちゃんと成熟しないと繁殖行動はとりませんので、卵を産むようになるまでには1年以上、時間がかかります。気の長い人向きの方法だと思います。

なお、クマノミの性別は一生固定しているわけではありません。
仔魚が成熟するとまずオスになり、そのオスの中から最も身体が大きく、優位な一匹だけがメスになるのです。ですから、ペアを作ろうとする際にも、あまり雌雄を気にする必要はありません。
   
また、2003年にディズニー映画「ファインディング・ニモ」が公開されて以来、全世界的にクマノミの乱獲が起きており、地域によっては絶滅の危機に瀕しているケースもあるようです。
特にカクレクマノミは、生息地域であれば非常に容易に採集できる生物ですが、生体を安全に運搬し、自宅に持ち帰るためには、周到な準備が必要となります。ノウハウを持たない人間が採集しても、自宅まで持ち帰る間に死んでしまいますから、無闇な採集は行わないよう、お願いします。
我が家のクマノミの採集場所、またその他の採集可能地域などの情報についても、私からはお答え出来ませんので、悪しからずご了承ください。

魚の採集は自然と触れ合い、本物の生態を知るのには絶好の機会であり、自然環境を守る事の大切さを身をもって知るチャンスになりますから、特に子供たちには積極的に推奨したいと思うのですが、一部の不見識な業者のために、現在のような状況に陥ったのは、極めて残念であり、一刻も早く、ディズニー映画の悪影響による誤ったブームが収束する事を願います。
ディズニー映画が公開されたことによるクマノミの乱獲&乱売の状況にあたり、海洋生物の自家採集に関する私の考えをまとめてみましたので、興味のある方はこちら→もご覧下さい。(2004.02)

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お店で購入する場合
 

クマノミをお店で購入する場合にも、採集する場合と同様、小型(3cmくらいまで?)の未成魚(仔魚や若魚)を2匹購入すれば、成長と共に身体の大きさに差が現われて、ペアが出来るものと思われます。
そのような未成魚が入手できなかった場合には、必ず、大きな者と小さな者を組み合せるようにして下さい。大きな者同士では、両方ともメスである可能性があり、ケンカをする恐れが高まります。クマノミは一度メスになってしまうと、オスに戻る事は出来ませんから、最初から体の大きなメス同士の組み合わせではペアを作ることは出来ません。

もっと沢山(5〜6匹)のクマノミを購入してきて、その中からペアが出来るのを待つ、という方法もありますが、カクレクマノミは、比較的大人しく、ペアも出来やすいと思いますので、必要ないでしょう。

カクレクマノミに関して言えば、お店で「ペア」として売っているものを、わざわざ購入する必要は、全くありません。バカバカしいと思います。
生体を本来の価値以上の価格で購入する事は、結果的に生体の価格上昇と、現地における乱獲を招きます。自然環境破壊を助長する行為ですから、購入に当たっては生体価格についても良く勉強し、その価値に見合った、適正な価格で購入するよう、心がけてください。

特に2003年末のディズニー映画「ニモ」の公開以来、我が国でも、それまで通常、500円程度で販売されていた輸入物のカクレクマノミが、2倍、3倍の価格で販売される、という、異常な事態となっています。乱獲による輸入量の減少や販売量の増大による品薄などの影響はあるとしても、とても正常な状況ではありません。
しかも海水魚販売のノウハウを十分に持たない業者までがクマノミの販売を取り扱うようになったため、販売される個体の状態も非常に悪く、購入後数日で死亡してしまうケースが続出しており、十分な飼育ノウハウを持つ者が購入しても、とても長期飼育は望めないような状況です。
ディズニー映画の悪影響によるこの異常事態を恒常化させないために、我々、消費者も、適正な価格での購入を守ることによって、自然破壊を助長し、不当な利益を上げようとする悪徳な業者を排除すべく、行動する必要があると思います。(2004.02)
   
ただし、同じクマノミでも、種類によっては事情が違うかもしれません。
クマノミは種類によって混泳の難易度などはかなり異なりますので、十分に情報収集した上での購入を心がけて下さい。

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なお、「既に自宅の水槽に1匹、クマノミが住んでいる。」というような場合には、基本的に、そのクマノミよりも小さな者、出来れば体長2〜3cmの仔魚・未成魚を選んで、お婿さんにします。(この辺は普通の魚の混泳のさせ方とは逆ですので、特に御注意下さい。)
水槽の中に長く1匹でいるクマノミは、つまり最も優位にいることになりますので、既にメスになっている可能性が高いからです。最初からメスが入っている水槽に、後から大きサイズのクマノミを入れたのでは、どちらもメスである可能性があります。そうなったら彼らはスズメダイです。どちらか片方が死ぬまで争いを続けます。

また「お嫁さん(お婿さん)」を水槽に入れる前には、水槽のレイアウトを変えたり、水槽そのものを変更させたりして、先住者の縄張り意識を緩和しておく方が安全でしょう。
できれば水槽導入当初はプラケースなどで仕切りをして、先住者との「お見合い」をさせてから水槽に導入するのが良いと思います。

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