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実際に磯へ採集に行く前に、しっかりと準備しておくことが、
磯採集を十分に楽しむための秘訣です。
この事前準備がしっかり出来ていないと、
採集に行ってもちっとも楽しめません。
まあ、実際にはここまで綿密にしなくても…、という部分もありますが、
まずは理想的な磯採集の準備から考えてみます。
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磯採集の一ヶ月前 |
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理想的には、実際に採集に行こうとする一ヶ月以上前から、2つの準備をしておきます。 |
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1. |
採集してきた生物を飼育するための水槽の準備 |
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- 海の生き物を水槽で飼育するためには、実際に飼育する一ヶ月以上前から準備をして、水槽を立ち上げておくのが理想的です。
- ヤドカリなどの丈夫な生き物ならば、採集してきた後で慌てて水槽を準備しても、なんとか飼育することが出来ますが、チョウチョウウオの子供などの水質に敏感な生物は、事前に水槽を準備しておかないと、すぐ殺してしまうことになるでしょう。
- 弊サイトの「海底300ミリメートル」のコーナー等、海水魚飼育のHPなどをご覧いただいて、事前に水槽の準備をしておいて下さい。
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2. |
潮回りと満干潮時間の確認 |
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- 二つ目は潮回りと満干潮時間の確認です。
- 海釣りをする人ならば良くご存知だと思いますが、満潮や干潮の時間、その時の水位などは、一年中同じではなく、毎日変化します。せっかく磯採集に行っても、大潮の満潮の時などでは水位が非常に高くなってしますから、潮溜まりでの採集などには適しません。潮溜まり自体が水没してしまいますから、採集どころではないですね。
- そんな事態を避ける為に、磯採集に行こうと思ったら、まず行こうとする場所の潮回り(大潮はいつか)と、満潮&干潮の時間を調べましょう。基本的には、磯で採集をするのならば大潮の干潮時を狙い、港の岸壁で採集をするのならば逆に、満潮時が狙い目だと思います。
- 最近はWEBですぐ、日本中の海岸の潮汐を調べることが出来るようになりましたので、たいへん便利になりました。
【 満潮と干潮の違い 】
同じ日の同じ場所でも、わずか数時間の間に、こんなに条件が変わってしまいます。
潮回り・満干潮時刻の確認が大切な事が、ご理解いただけると思います。 |
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[ 午前9時 ]
満潮の2.5時間後。
水深が深くて、採集は困難です。 |
[ 午後1時 ]
干潮の1時間前。
水深が浅くなり、タイドプールが出来ています。 |
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↓
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磯採集の一週間前 |
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水槽の準備が出来、潮汐表を確認したら、本当は採集場所の下見(ロケーション・ハンティング)をしておきたいところです。
採集場所までの道順や道路の混雑具合、CVSや食料品店の有無など、実際に行ってみないと分からないことが沢山あります。ただし、実際に採集に行く時とは潮の状態が違いますし、遠出をする場合には気軽に「下見」というわけにも行きません。何度も通った場所なら下見自体、必要ありませんし、私もあまりやりませんけどね(笑)。
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【採集に適したロケーション】
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1. |
磯(いそ) |
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- 砂浜の海水浴場でしか遊んだ事がない方にはあまり馴染みがないかもしれません。ゴツゴツした大きな岩が沢山あるような、複雑な海岸線の場所です。
- 内湾の中央部(奥側)が砂浜になっているような海岸でも、左右の岬の先端付近には磯場が広がっているところが多いと思います。
関東近辺であれば、南房総、三浦半島、真鶴岬、東伊豆、南伊豆、伊豆など、沢山の磯があります。
- 魚やエビ、カニなどの甲殻類、海藻、その他、非常に多くの生物が生息しています。また、陸と海との接点に相当する場所ですので、環境の変化に強い生き物が多く、海の生物を採集して飼育しようとする際の、メイン・フィールドになります。
- 特に波の侵食などに寄って形成された潮溜まり(タイドプール)のある場所は、干潮時には波もなく、絶好の採集場所になります。尖った岩で怪我しない様に気を付けさえすれば、実は一般的な海水浴場(砂浜)よりもずっと安全。(だって波がありませんからね。)小さなお子さんを遊ばせるのにも良い場所です。
ウチの子供などは、まともに歩けるようになる前から、タイドプールで海水浴をしてました(笑)。
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2. |
漁港・船溜まり・岸壁 |
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- 釣りをする人にはおなじみのロケーション。ということは当然、沢山の生物が生息しているわけです。
- 採集のポイントも釣りのポイントと同じで、岸壁の先端や岩陰のような場所。磯での採集の時とは逆に、満潮時に柄の長い網で採集すると良いでしょう。意外に沢山の、素敵な“獲物”を採集できるでしょう。チョウチョウウオやヤッコの幼魚を捕まえることも出来ます(もちろん磯にもいますが)。
また岸壁のブロックの継ぎ目の隙間には、エビやカニなどの甲殻類が多数、生息していますので、そのような生物の採集を狙う人にも魅力的なロケーションだと思います。
- ただし、本来は漁業者の方のお仕事の場です。漁業者の方のご迷惑になるような行為は厳に慎んで下さい。停泊中の船に無断で乗り込むなど、もっての他ですよ。(私が小学生の頃はやってましたけどね(^_^;;。今は時代が違います…苦笑)
また釣り人(遊漁者)がいる場合にも、その近くでの採集は止めておいた方が良いでしょう。釣り人に怒られます(笑)。
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3. |
砂浜・干潟 |
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- 磯場などに比べるとずっと生物相は薄くなります。砂浜・干潟に生息する特定の生き物(スナガニなどのカニやスナモグリなどの甲殻類など)を採集する目的でなければ、あまり採集に適した場所ではありません。
- ただし、砂浜の沖合いのアマモ場などではタツノオトシゴやイカなどの、特徴的な生き物を採集できるそうですから、アマモ場を探して、砂浜を巡ってみるのも面白いかもしれないですね。
- 生き物の採集は出来なくても、「ビーチコーミング」という楽しみもありますよ。
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※. |
ゴロタ石の浜(採集不適地) |
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- 海岸の中には「ゴロタ石」と呼ばれる、直径が数十センチ〜1メートル程度の、丸い石が積み重なっている場所があります。このような場所にも生物は沢山いるのですが、すぐに石と石の隙間に逃げ込んでしまいますし、ゴロタ自体がぐらぐらと動いて足元が安定しませんので、よほど特殊な目的がない限りは、このようなゴロタ石の浜での採集は止めた方が良いでしょう。
- ダイビングなどで入るときも、ゴロタの場所は足を取られ易いので、非常に危険です。
特に経験の浅い人などは、あまり近づかない方が良いですね。
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磯採集の前日 |
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前日の準備についてはあまり言う必要もないかもしれませんが、必要なことは2つ、天気予報の確認と、採集道具の準備です。 |
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1. |
天気予報の確認 |
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- 採集の前日には、最低限、天気予報の確認だけはしておきます。
天気が不適であれば採集を中止する勇気を持たないと、磯採集も楽しめません。
- 中で特に気をつけなければならないことは、風と波。
お天気は曇りでも採集は出来ますが、波が高い日の磯採集は危険ですし、風が強ければまず寒い、そして水面に小波(さざなみ)が立ちますので、非常に採集しにくくなります。いずれもあまり、採集に適した天候ではありません。
- 海辺の天気予報については、特に以下のサイトが参考になるでしょう。
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2. |
採集道具の準備 |
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- これは言うまでもない事ですが、採集当日の朝になって慌てて準備をしたのでは、どうしても忘れ物が増えます。また網に穴が開いていたとか、バケツが割れてしまった、とか、道具にトラブルがあった場合には、前日までに準備をしておかないと、磯採取に行くこと自体ができません。
- 次項、「磯採取の持ち物」を良く見て、準備をしておいて下さい。
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