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駄作の蛇足

(桜海老)

 

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私が生まれ育った静岡県(旧)清水市の隣町、由比、蒲原、富士川の三町で漁獲される名産が桜海老です。

桜海老の存在自体は江戸時代の半ば頃には知られてはいたようなのですが、本格的に漁獲されるようになったのは明治27年の冬からということですから、名産としては比較的新しいものということになるでしょうか。

その桜海老の漁期は年に2回、春と秋に定められているのですが、春の漁期がちょうど、桜の花がほころぶ頃に重なる事から、この「桜海老」というお話を考えました。もちろん、地元にこのようなお話が残されているわけではありません。

ちなみに、お話の中に出てくる「さった峠」も実在の峠で、富士山を見る名所として江戸時代から高名な場所ですが(安藤広重の「五十三次」にも出て来ますね。)、特に桜の名所と言うわけではありません。ただ峠の山道の所々には、確かに美しい桜が植えられていますし、それらの花が海からも良く見えるのも事実です。また個人的には、さったの峠から富士山を望むのは、満開の桜の頃が一番良いと思っていますから、是非その時期に静岡・清水・由比・蒲原を訪れて、旬の桜海老とシラス、峠の桜と富士山を堪能していただきたいと思います。

      さった峠: 「さつ」は菩薩の「薩」、「た」は土偏に、旁は「垂」。
「さった」というのは「菩提薩た」の略で、「菩薩」と同義。

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