* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

 

海底三百ミリメートル・実践編 [2]
用意するもの

2004.02.11UP/2008.03.01部分修正

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

 

飼育器具や人工海水など、
今回の飼育に必要なものは以下の通りです。
中には以下の通りに揃える必要がないものもありますので、
説明を良く読んで、
自分に必要な器具と不必要な器具を判断してください。

 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

 

(1) 水槽
 
  • 30センチの小型水槽(もちろん、もっと大きな水槽を使うことが出来れば、もっと大きな水槽を使ってください。本音で言えば、やはり最低限でも横幅40cm、水量20L程度は欲しいところです。)
  • 夏場、ホームセンターなどで売っている「お魚パーク(コトブキ工芸)」などがお得です。
    ニッソーの「金魚セット」など、メーカー各社から、同じ様な商品が出ています。どれでも構いません。セールなら980円〜1480円くらいで買えます。30センチ水槽単体で購入しても1980円くらいしますので、そのようなセット水槽の方が安いです。
  • 今回は水槽本体とフタしか使いませんが、エアポンプなどもあれば、後々、何かに使うかもしれませんので、無駄になりません。
   
(2) 水槽のフタ(上記のようなセットを購入しない場合)
 
  • フタはなくてもかまいませんが、海水を使用しますので、あった方が安心です。
  • セットで購入せず、水槽単体で購入した場合は、フタも単独で購入することになります。
  • 使用の際には外掛けフィルターを設置するスペースを、ノコギリなどを使って切り取ります。
   
(3) ヒーター&サーモ
 
  • 保温用のヒーターとサーモスタット。別々に買っても構いませんし、セットでも良いし、ヒーターとサーモが一体型のものもあります。どれでも構いませんが、温度固定式ではなくて、設定温度が変えられるものが必要だと思います。
  • ヒーターの出力は30cm水槽であれば、100Wもあれば十分です。(もっと小さくても良いかも)。
    水槽の大きさ(=水量)に合った出力のヒーターを使ってください。
  • なお、水槽にセットするものとは別に、もう1セット、これはヒーター&サーモが一体型になったものを購入することをお勧めします。
    これは水換えのときに、新しい人工海水を温め、水槽の飼育水と同じ水温にするためのものです。これがないと、水換えの時の温度合わせが非常に面倒です。
   
(4) ヒーターカバー
 
  • 魚などがヒーターに直接触れて火傷をすることがないように、ヒーターをカバーするものです。
    ただのプラスチックの筒みたいなものなのに、800円とか、900円とかします。
    バカバカしいのですが、生体の安全のためには必要なものと思います。自作も出来ると思いますが、スリットの加工が大変と思いますので、仕方がない。買いましょう。
  • ヒーターカバーを使わないと、魚や、イソギンチャクなどが火傷すると思います。ヒーターの説明書には使わないように書かれているものもありますが、私は使った方が良いと思います。
   
(5) 水温計
 
  • 水槽用水温計です。なるべく小さくて安い物で良いです。200円くらいでしょう。
  • 特に水槽が小さい場合、毎日の水温チェックは不可欠ですので、必需品です。キスゴムで水槽の内側に固定して使用します。
   
(6) 棒温度計
 
  • 同じく水温計ですが、こちらは理科の実験で使うような、長い(30センチくらい)ものです。
  • 水槽そのものには使いませんが、換水の時の水温計測などに必要です。ホームセンターの園芸コーナーなどで、やはり200〜300円程度で購入できるでしょう。
   
(7) 外掛け式濾過装置(テトラ「ワンタッチフィルターOT-45」)
 
  • 外掛け式のフィルターです。「OT-45」は45センチ水槽用で、60センチ水槽用の「OT-60」でも構いません。
    30センチ水槽ですので30センチ水槽用の「OT-30」でも良さそうですが、海水魚の場合には、濾過装置は「ワンランク上」が常識ですので、「OT-45」以上が良いと思います。
    (「OT-30」は使ったことがありませんが、いかにも「小さい」という感じがします。)
  • テトラのこのシリーズは見掛けは「ショボイ」ですが、濾過能力は高いですし、メンテナンスも楽です。そして何より、水槽の水温を上げることがないので、小型水槽での使用に最適です。
    (水中モーター式のアィルターは水温上昇を引き起こします。)
  • 今回の使用方法ではフィルターとしての機能より、循環ポンプとしての機能を重視しています。
  • なお、今回と同様にしてもっと大きな水槽(45cm水槽など)で飼育する場合には、もう1サイズ上の「OT-60」を使ってください。また60cm水槽以上で飼育する場合には、ワンタッチフィルターを使っての飼育も不可能ではありませんが、もう少し別の飼育方法を検討されることをお奨めします。別途ご相談ください。

なお、当ページの公開後、現在までに、観賞魚用品メーカーから、沢山の外掛けフィルターが新たに発売されました。
器具の選択肢が広がった現在の状況では、
必ずしもテトラ「ワンタッチフィルターOT-45」にこだわる必要はないと思いますので、ポンプ流量/消費電力/器具の価格などを比較検討の上、最適な製品をご使用下さい。(2008.03.01)
   
(8) 底面フィルター
 
  • 「OT-45」だけでは濾過能力が低いので、底面フィルターを使用します。下手な外部密閉式のパワーフィルターよりも、ずっと強力な濾過能力があります。
  • 底面濾過装置は一番古い歴史のある濾過装置なので、時に「時代遅れ」等と言われますが、それは実際に使用した事が無い人が言っている場合がほとんどです。特に今回のような小型水槽であれば、掃除などのメンテナンスが楽ですので、底面濾過は今でも最適の濾過方法です。
  • 具体的な商品としては、ニッソーの「バイオフィルター30」が、一番入手しやすいでしょうか。500円しないと思います。ただし、ニッソーのこの商品自体は、自信を持ってお勧めできるほどの商品ではありません(もっと厚くて、高さのある底面板の方が好ましい)ので、他の商品が入手できるのであれば、別の商品でも構いません。いずれにせよ、水槽に入る大きさでなるべく大きな物を選びましょう。
  • なお、今回のセットでは、底面フィルターと外掛けフィルター(OT-45)を直結して使用します。
    普通、飼育書等にはフィルターを二つ併用する場合には、直結せずに、それぞれを独立して使う方が良いと書かれていると思います。好気濾過の能力を高めるためにはその方が良いのですが、今回の場合には嫌気濾過(還元濾過)を組み合わせているため、2つを直結してしまいます。このことによって、T-45自体は、フィルターとしてより、循環ポンプとしての役割を果たす事になります。
    嫌気濾過(還元濾過)を組み合わせず、好気濾過だけでよいと考える場合には、それぞれを独立して運転させて下さい。
   
(9) 底砂(サンゴ砂)
 
  • 底面フィルターの上に敷きます。この底砂(サンゴ砂)が「濾材」となって、その表面に濾過バクテリアが付着、増殖することで、濾過の役割を果たします。海水魚ショップで売っています。
  • 砂のサイズは「M」前後。それ以上に細かい「S」や「パウダー」などは不適です。少し大き目の「L」でも良いかもしれません。
  • 全部で4L程度(2L入りの袋で2袋程度)用意してください。少し多めの方が良いでしょう。
   
(10) 水道ホース
 
  • 底面フィルターとワンタッチフィルターを接続(直結)するのに使います。
    最も一般的な、内径15mmのものが、10〜15センチくらいあれば十分です。
   
(11) 人工海水
 
  • 天然海水を使うことが出来ればその方が良いのでしょうが、毎回汲みに行くのも大変なので、粉末の人工海水を使用します。30cm水槽ならばわずか12Lの水槽ですが、1年の間には何回か換水もしますし、何かと使うことが多いので、500Lとか、大容量のものを買った方がお得です。
  • メーカー各社から色々な海水が出ていますので、色々試してみても良いでしょうが、今回の飼育生体は水質にもそんなに敏感ではありませんので、安いものでも十分です。
    (ただし、ただの「食用塩」ではダメですよ。ちゃんとした「人工海水」にして下さい。)
  • 人工海水の比重は、比重計で計って、1.020〜1.023の範囲に入るように調整して使用します。
    最初に人工海水を作る時には、「水道水(もしくはROを通じた純水など)5Lとか10Lに対して、何gの人工海水を入れれば適正な比重になるか」を記録しておいて下さい。次回からはその重量を目安として人工海水を溶くようにします。そうすれば、毎回計測する手間を省くことが出来ます。
   
(12) 塩素中和剤(カルキ抜き・ハイポ)
 
  • 人工海水を溶かす水道水に入っている塩素(カルキ)を中和する薬剤です。これを使わずに塩素入りのままの水道水を使うと、魚やその他の微生物が死んでしまいます。
  • メーカーやブランドにこだわる必要はありません。安い物で十分です。
    最初に購入した水槽セットにも中和剤が付属していますが、1回分くらいしかないので、使ってしまったら買い足しましょう。人工海水と一緒で、使用頻度の高い消耗品です。
  • 中和剤を使わない場合は、1日程度汲み置きするか、数分間沸騰させた「湯冷まし」の水を使うか、あるいは高機能な浄水機を通した水を使っても構いません。
    (ただし、浄水機を使う場合には、フィルターの有効期限などに御注意下さい。)
  • また、人工海水の中には、最初から塩素中和剤が配合されている製品もあります。そのような製品を使用する場合には、塩素中和剤は要りません。
   
(13) 比重計
 
  • 慣れてくると使用する機会は減ってくると思いますが、一応、用意しておきましょう。人工海水の塩分濃度を計測します。
  • 安価な物で十分ですが、ガラス管で出来た「ボーメ計」よりも、プラスチック製の、メーター式のものが使い易いでしょう。
   
(14) 亜硝酸(NO2)試薬
 
  • 「必ず要る」ものではありません。が、持っておいた方が良いと思います。
    特に水槽立ち上げ当初から「スターターフィッシュ」を使うなら、必須かと思います。水槽の立ち上げ当初に出る「亜硝酸」を計測し、その値が安全値に下がってから、生体を入れるようにするのが基本です。
  • メーカー各社から、様々なタイプの商品が発売されていますが、一番安くて手軽な、試験紙タイプのもの(テトラNO2試験紙)等で十分です。
   
(15) 硝酸塩(NO3)試薬
 
  • 亜硝酸試薬と同様、持っておいた方が良いものです。
    水槽のセッティングが終わり、魚を飼い始めた後で、換水のタイミングなどを見るために使います。やはり一番安いテトラの試験紙でかまいませんが、亜硝酸試薬より少し高価だと思います。
   
(16) テトラ「ナイトレイトマイナス」
 
  • 還元濾過(反硝化濾過/脱窒)を行う「通性嫌気性従属栄養細菌」の「餌」となる炭素源を水槽内に供給するための薬剤(というか、その「餌」)です。
  • 同じ目的で野辺商会から「デニボール」という商品も発売されており、どちらでも構いませんが、「ナイトレイト…」の方が、ひとつひとつのサイズが小さいので、小型水槽では使い易いかと思います。
    (もちろん、値段も「ナイトレイト…」の方が安いです。笑)
  • ただし、「還元濾過は必要ない。」という場合には、購入/使用する必要はありません。

当ページの公開後、2006年〜2007年ごろまでに、当ページでご紹介していますテトラ「ナイトレイトマイナス(固形タイプ)」は販売終了となった模様で、2008年03月現在では、一部の店舗に店頭在庫品として残っているもの以外には、入手が困難な状況となっています。その後、テトラ社からは、同じ「ナイトレイトマイナス」という商品名で液体タイプの製品が販売されていますが、当ページでのセッティングは、固形タイプの「通性嫌気性従属栄養細菌の餌(還元濾過細菌の餌)」を想定したものです。
当方では、具体的な製品名や商品名の全てを把握してはおりませんが、現在では、テトラ「ナイトレイトマイナス(固形タイプ)」以外にも、複数のメーカーから、同様の機能を持つ「還元濾過細菌の餌」が幅広く販売されており、実際の使用に何の不都合もありません。店頭においてテトラ「ナイトレイトマイナス(固形タイプ)」が入手できない場合には、それらの
代替商品のご購入/ご使用をお願いします

テトラ「ナイトレイトマイナス(固形タイプ)」販売終了のお知らせを怠りましたために、これまでに何名かの方から、「ナイトレイトマイナスが入手できないのだが…。」というお問合せをいただきました。弊サイトの不手際のためにご迷惑をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます。(2008.03.01)
   
(17) 照明
 
  • 何でも構いませんが、イキゾンチャクを飼う場合には、なるべく強い光を出せるものが望まれます。本当は「メタハラ」と呼ばれる水槽用ライトが欲しいところですが、値段が高いし熱を発生するので、とりあえず、蛍光灯で頑張りましょう。
  • 私は光量、熱などを考え、27Wツインのインバータスタンドなどを使います。
   
(18) 飾りサンゴ(出来ればライブロック)
 
  • 水槽の中に何も隠れる場所などがないと、魚はストレスで死んでしまいます。(人間でも同じですよね。)
    飾りサンゴなどの「水槽の飾り」は、ただの「飾り」ではなくて、魚を飼うのに欠かせない飼育器具のひとつです。
  • 飾りサンゴなどを使う他に、「ライブロック」と言って、自然の海の中にあったサンゴの岩のかけら等を水槽に入れることもあります。自然の海にあったものですので、当然、様々な微生物が付着して、生きています。ですから「生きている岩=ライブロック」と呼びます。
    いかに小さな水槽の中とは言え(むしろ小さな水槽だからこそ?)、生物の多様性は高い方が好ましいので、ライブロックは是非、水槽に入れたいものです。濾過を安定させる効果もあると言われています。
  • ただ、ライブロック導入の場合は、水槽をセットした直後に入れるのではなく、ある程度、時間が経ち、水質が安定してからの方が良いでしょう。ですから最初から準備しておく必要はありません。
   
(19) ヨウ素殺菌ペレット
 
  • メーカーの謳い文句が本物なら、病気を防いで、しかも熱も発生しないスグレモノです。
    ただし、こうした商品の宿命ですが、どれほどの効果なのかを測定する手段がありません。
  • やや「おまじない」にも近いと思いますが、ないよりは良いかもしれないので、使用してみれば良いかと思います。少なくとも害はないので、それだけでも、海水魚飼育用品としては、非常に優れた物だと思います。
  • なお最近、アクア工房というメーカーから、「外掛け式フィルター専用・ヨウ素殺菌マット」という商品が発売になったとのことですので、そのような商品を使用しても良いでしょう。
   
(20) その他の便利なもの
 
  • ポリタンク
換水用の人工海水をキープしておくためのタンクです。
水で溶いた直後の人工海水はまだ成分のバランスが安定していないので、換水にも本来は、前日くらいまでに溶いた人工海水を使うべき、と、言われています。
そんなに神経質になる必要はありませんが、水換えの直前になって海水を作るよりも、週末などにまとめて作っておいて、貯蔵しておいた方が楽です。
私は10Lの飲料水用タンクを使っていますが、18Lの灯油用ポリタンクで十分です。
  • バケツ
人工海水を溶いたり、換水する時などに、少し大きめのバケツが必要になります。
中に目盛りがついていて、何リットルか分かる洗車用バケツなどが便利です。
  • 小型のプラケース
魚の移動の時などに便利です。100円ショップで売っているもので十分です。容量が1.5L程度の、深さのある「タッパー」でも構いません(やはり100円ショップで買えます)。
  • 小型の扇風機
いわゆる「クリップ・ファン」。
冬場には不要ですが、夏、水槽を冷やすのに使用します。夏場には必需品になるかもしれません。
  • 水道ホースや灯油ポンプ
水換えのときなどに便利です。
  • コケ取りのスクレイパーやスポンジ
水槽を立ち上げるとしばらくして、水槽内にコケがつきはじめます。そのコケを取る道具です。熱帯魚ショップに様々なものが売られていますが、全く同じ様なものが、100円ショップでも売られていますので、ショップでどんなものか良く観察して、100円ショップに買いに行けば良いと思います。
  • プラスチックのざる
サンゴ砂を洗うときに使用します。100円ショップで売っているもので十分です。その他、濡れたものを干すのにも便利ですので、1個用意しておくと良いでしょう。
  • 24時間タイマー
照明の自動点灯&消灯が出来ます。
なくても全くかまいませんが、あれば非常に便利です。
魚のためには、水槽の照明が規則正しく点いたり消えたりした方が良いのです。
タイマーがない場合には出来るだけ定時に、点灯&消灯します。
  • 各種水道配管部品
ホームセンター等で販売されている塩ビのコネクタやエルボなど。濾過まわりの配管に使います。
同様の機能のものが海水魚ショップでも販売されていますが、水道配管部品の方がずっと安価です(単価数十円。ショップで買うと数百円…(^^;;)。
必要に応じて買って下さい。
  • 水槽用クーラー
水槽用クーラーは非常に高価です(安売りでも3〜4万円くらい)。「初心者向き」とは思いませんが、特に夏場、その効果は絶大です。
実は海水魚の住む海の中と言うのは、陸上の河川や湖と違って、一日のうちの水温の変化は0.5℃もありません。海水魚は本来、非常に安定した環境の中で生息しているものなのです。それが小さな水槽の中では、特に夏場、朝晩は水槽の水温も下がり、日中には上がるということを繰り返す事になります。その結果、1日の間の水温の変化が2℃、3℃となってしまえば、魚が病気になるのは避けられません。(この点は淡水魚の飼育とは大きく異なる部分だと思います。)
水槽用クーラーは夏場の温度変化を最小限に抑えてくれます。魚の健康維持のためには、非常に効果的な装置ですから、経済的に余裕のある方は是非、設置を検討されることをお奨めします。
   
(注) ショップで勧められても購入しないもの
  「海水魚を飼いたい」とショップに言うと、必要の無いものを色々と薦められる可能性があります。
念のために下に列挙しておきますが、これらの商品を薦められても、「要りません」と言って断ってください。
 
  • 濾過バクテリアの素
「濾過バクテリアの素」と称して、様々な商品が販売されています。全てが効果が無いとも思いませんが、濾過バクテリアは自分の水槽の中で自然に繁殖したものが一番です。「バクテリアの素」を使うと、その後もずっと定期的に「バクテリアの素」を補給しなければならないことになる場合もありますから、最初から使わないに越した事はありません。
「濾過バクテリアの素」を使った方がショップの売上は上がりますから、ショップでは勧められると思いますが、不要です。断ってください。
  • スターターフィッシュ
「濾過バクテリアを繁殖させるためにスターターフィッシュを入れておくことが必要です。」といわれるかもしれませんが、これも必要ありません。魚がいなくても、餌になるもの(魚の餌や肉片など)が水槽の中に入っていれば、バクテリアは繁殖します。
スターターフィッシュは白点病などに罹りやすいので、スータータフィッシュを使うと、最初から病原菌や寄生虫だらけの水槽にしてしまう危険を犯すことになります。それよりはスターターフィッシュを使わないで水槽を立ち上げる方法を採りましょう。
  • 高価な試薬類
NO2やNO3などの試薬は、持っていた方が良いものではありますが、一番安いもの(テトラの試験紙)で十分です。「こちらの方が高性能です。」と言って、液体タイプのものなどを薦められることがあると思いますが、大まかな状況が分かれば十分なので、高性能でも高価な試薬は不必要です。
  • 外部密閉式パワーフィルター
「エーハイム」や「フルーバル」「プライムパワー」などの商品があります。
「掃除が簡単ですよ。」などといって薦められることがあると思いますが、大抵の場合、海水魚水槽にはパワー不足です。使えないことは無いのですが、海水魚飼育の場合には、外部密閉式のパワーフィルターをメインの濾過装置に使うことはお勧めしません。それよりは底面フィルターや「ワンタッチフィルター」の方が、ずっとパワーもありますし、実はメンテナンスも簡単なのです。
パワーフィルターは単価が高いので、ショップにとっては大きな収益源です。しかし我々には必要ありません。最も安くて、しかも最も効果的な濾過装置を使いましょう。ただしもちろん、別の濾過装置をセットした上で、2つめ、3つめの予備の装置として使用する分には問題ありません。

このように書くと沢山の道具が必要で、お金も掛かる様に思いますが、
それぞれの商品を適正な価格で販売しているお店で、本当に必要なものだけを買えば、
全部揃えても2万円もかからないはずです。(
→参考
さすがに「入門セット¥9,800」という訳にはいきませんが、
そのようなセットではどうせ長期飼育することは出来ません。
「入門セット¥9,800」などは買わずに、
ひとつひとつの道具を厳選して購入していただきたいと思います。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

「海底三百ミリメートル」トップに戻る
「放蕩息子の半可通信」トップに戻る

◇ ご意見・ご質問・ご批判等は掲示板、またはこちらまで ◇